ランディングネットの作り方1

1.用意するもの
2.作り方
3.塗装の仕方
4.ネットを取り付け
5.作品集
6.ネット作成関連へのリンク


*** 用意するもの ***

ネット材料:簡単な材料はホームセンターなどでも手にはいるが種類は少ない。グリップにこだわりたいのなら東急ハンズ等で売っている木のはがきなどや、新木場にあるもくもくという木材専門店がおすすめ。そこで気に入った材料を探す。特にもくもくは量り売りなどもあり手頃な価格で手にはいるし、たまに掘り出し物などが見つかる場合があるので行く価値あり。

フレームの方はヒノキ以外は手に入れるのが難しいこともありヒノキで作る場合が多い。あと自分はもくもくでたまたま売っていたバーサイメープルの2ミリ前後の薄い板切れを買ってきて、それを表面だけ軽くヤスリで削り、使えそうなところを幅を測ってカッターなんかでカットして使用したりしている。

他には最近AYAネットで有名なストークからネットメイキング用のパーツ素材の販売を始めたのでこれを使用するといろいろ綺麗なネットが作れると思います。でも、ちょっと高め。

グリップ用木材(1個):大きさは自分の作る予定のグリップより大きい物。仕上げる厚みにもよるが、10〜15ミリ厚の物。(木のはがきのように薄いものを張り合わせて厚みを作っても可)

フレーム用の木材(4枚):幅はグリップに合わせたもの。(10〜15ミり)簡単に手にはいるのはホームセンターなどで売っているヒノキ材。長さ900ミリ。

リリースネットに使う網:ネットの方は自分で編むタイプとリリースネット風のタイプの2種類があります。自分で編むタイプの方はクレモナ(呉羽の商標)を代表とされる化繊糸を使う場合が多い。この糸は漁師の網などに使われていて、水含みが良く、丈夫とされている。もし手にはいらなければ、たこ糸やホームセンターの大工用品で売っている墨引き用の白い糸(水引き糸というのもあるので注意)でも代用はなんとかできる。

リリースネットタイプにする場合はまず網となる布材を手に入れる。メッシュ状の素材であればいいのだが、自分は渋谷の東急ハンズ(池袋・新宿には置いてなかった)でメッシュ状の裏地素材を購入している。他にも洗濯ネット等もあるが何点か作ってみてこのタイプが水含みもよくおすすめ。また、市販の取替えネットを購入してつける方法もあります。

網を取り付ける紐:これは丈夫であれば何でもいいのだが、自分はホームセンターで売っている大工用の墨引き用の糸を使用している。これを出来上がったネットと一緒に染色している。染色等が面倒な場合は釣り具屋(フライショップではない)で売っている竿巻糸(って書いてある)などが色も何色かあって使いやすい。使用する素材はこの4種類をアレンジして使用する。

その他必要とされる材料及び道具:(**はあると便利なもの)

糸のこぎり(*電動*)、のこぎり、木工用棒ヤスリ(半円タイプ)、*金属用棒ヤスリ*、紙ヤスリ(80・120・240・400番)、耐水やすり(400・*600*・800・1200番・*1500*)、*紙ヤスリにあてるもの各種*、彫刻刀、カッター、*クラフトナイフ*、はさみ、エポキシボンド、木工用ボンド、輪ゴム(幅5ミリ以上で少し長めのもの)、*クランプ*、0.3ミリくらいのペン、カシューまたは水性ニス、うすめ液、筆、とき皿、ドリル(精密ドリル)、ドリルのきり(1.5〜4.5ミリ位まで各種)、1ミリくらいの細い釘(2本程度)*スキー用金属スクライバ−*、ボビンスレッダー、アロンアルファー、ニードルまたは針のような先の尖った物、*自転車用スポーク*、コンパウンド、車用などのワックス、ネット用の網などなど。


*** 作り方 ***

ネットの作り方もいろいろと方法があります。

*ネットのデザインが決まったら、その実物の型を作り、その型にフレーム材を固定していき作成する方法。
*鍋などの丸い物でフレームの形を作り作成する方法。
*先にグリップを作り、そのグリップにフレームを固定して作成する方法。
おおまかにはこの3点が一般的だと思います。

で、自分の作り方はというと1と2の方法は結構HPに作り方が載っているので、3つめの先にグリップを作成してから作る方法でネットを作成しています。

それでは作者の性格上結構作り方が雑ではあるがその作り方にいきましょう。

1.グリップのデザインを決める(全体のネットのデザインも考えて)

まず決める前に、全体の大きさと出来上がりがグリップ+フレーム材厚み(約6ミリ×2)になることを考えて作る。それを厚紙などに書いて型を作り切り抜き、グリップ材の上に形を書き込む。

2.グリップ材をノコギリで切る 注:この時にグリップエンドの部分に2cmくらい長さをプラスして切ること。

切る際には書き込んだ線ギリギリに切るのではなく、2ミリ位余裕を持って切るといい。この場合直線は普通のノコギリ、曲線は糸ノコギリでやると楽ちんです。糸ノコがない場合はおおまかにノコギリで切り出しあとはひたすら木工用ヤスリで削る方法でもできます。

3.切り取ったグリップにヤスリがけをして仕上げる

切るのが曲がったりして大きく削るところは木工用ヤスリでどんどん削りそのあと紙ヤスリで削る。削り過ぎに注意。グリップは角がきちっと90度になるまで仕上げる*1。そして、フレーム材を合わせてみて取り付ける部分にデコボコがなくたいらになるまでしっかりと削ること。(これで仕上げのときの見栄えが違ってくる)この時スキー用の金属スクレイパ−があれば隙間のチェックができるし、少しのデコボコならこれで削ることもできるので便利。この時グリップの余分の部分もエンドに沿って形を整える。

ヒノキなどの木材はとても柔らかいのでヤスリ掛けの際には十分注意してください。

*1 紙ヤスリ掛けは直線部分は板切れなど平らなものを、曲面は空き缶などの円柱の物を使うとべんりです。

4.フレーム材の取り付け

この部分は特にしなくても取り付けはできますが、慣れるまではこの方法で取り付けした方が後々楽です。)

グリップを切る時に残しておいた余分な部分(グリップ端)とフレーム材を合わせ、フレームの幅の中心あたりにグリップまで貫通する小さい穴をドリルであける。釘とかでもいいのだが、幅が狭い為割れてしまう場合があるので注意する。

フレーム材の方はとりあえず2枚フレームを取り付ける前にフレーム材をお湯などに浸けて柔らかくする。(浴槽などに浸けておいたりする。)

フレーム材が手で自由に曲がるようになったら取り出し軽く水分を拭き取り、先にあけた穴でグリップとフレームを釘などで固定する。(この時フレーム材が動かなくなるまで固定する必要はなし)

フレーム材をずらしてフレームが接着するグリップ部分にだけボンドを塗る*2

フレームとグリップをきちっとそろえてもう一方のグリップの面にボンドを塗り、2枚のフレームをグリップに沿って曲げてグリップと接着する。(外側の板は固定するゴムが締め付けて角を落としたりするのでそれを防ぐ為のあて材です。なので接着しないようにしてください。)そしてそのあとグリップとフレームが隙間なく付くように輪ゴム*3を伸ばしながらグルグルと巻いて固定する。(この間の作業はできるだけ素早く行う。)

乾燥(1日以上おく)が終わったら輪ゴムを取り外す。(ボンドなどが付くのでできれば使い捨てにした方がいい)次にあて材である外側の板を取り外し2枚目のフレーム材とその外側にあて材を取り付ける。そしてフレーム材にボンドを塗り、片側のフレームから順にゴムを密に素早く巻いていき、最後にグリップの両側を一緒に巻いていく。巻き付けはできるだけきつくするように*4。そして同じ行程で3枚目を接着する。

そしてすべてが大丈夫だったらここで穴をあける為に2cmくらい余分に残していた部分を切り取り、形を整える。

*2 この時ボンドはエポキシならば30分硬化型、木工用ボンドなら少し水で薄めて乾きを遅らせる。

*3 固定には通常はたこ糸を使うのだけれどもなぜ太い輪ゴムにしたかというと、たこ糸よりも固定する圧が強いように思えるからです。また、輪ゴムにすることで必要な分だけ輪っかを繋げて使えばいいのし、巻いていくのが非常に楽だからです。あと、ボンドが付いているところもたこ糸よりも剥がしやすいこともあります。ただ、あまり輪ゴムの幅が広すぎるとのばしながら巻いていく時にかなり力を必要とするのであまり広くないものがいいです。(8〜10ミリくらい)

*4 ここでの接着が完成後の出来が左右してきます。各段階で板と板の間に隙間がないかチェックして各工程を進めてください。もし、隙間があるようだったらフレームを壊して接着をはじめからやり直すことになります。
木工用ボンドの場合は今の段階ですと熱湯にあてるとボンドが白くなり柔らかくなりますのでこの方法で微調整はできます。

5.ネットの成形

ようやくネットらしくなりました。ここでグリップエンドにベストに取り付ける為のスイベルを取り付ける穴をあけます。

スイベルは大きな釣り具やなどで売っているブラス(真鍮)製の海用のスイベルを使用します。(ヒートンでもいいという方はここでは穴をあけなくてもいいです。)自分ではスイベルの大きさはだいたい3〜4ミリの物を使用してますがグリップの厚みによっても変わってきますので自分で判断してください。穴をあける時はいっぺんにその大きさにするのではなく、少し小さめにあけてスイベルで調整しながらあけていくことを薦めます。そして硬い物で叩いてやっとはいるくらいのきつさがちょうどいいです。

穴をあけ終えたらカッター、ヤスリを使って角を落とし最終的な形にもっていきます。これが終わると塗装になりますのでここで妥協をしないで完全な形にしてください。荒削りから最終的には紙ヤスリ(水は使わないこと)の600位まで使って仕上げる。

6.穴あけ

穴あけの前に糸を沿わせる溝を切る。溝を切る始点と終点を決め、フレームのセンターを何ケ所かで割り出して線を引いていく。

その線に沿って糸ノコで丁寧に切り込みを入れていく。曲線部分は糸ノコがはいらないのでカッターや彫刻刀などで丁寧に削る。

溝切りが終わったら印を付けていた穴の位置にドリルを使って穴をあけていく。そのあと巻き尺などの柔らかいメモリの付いた物を使い穴をあける位置を決めていく。穴と穴の間隔は一般的には15〜25ミリの間。穴の径は2ミリ前後穴が一般的。曲がらないように慎重に。大きいドリルよりも精密用の小さいハンドドリルなどがゆっくりと確認しながらできるのでお薦め。

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そして穴あけが終わったら、針先にアロンアルファーを垂れない程度つけてあけた穴の中全体へ浸み込ませていく。これをすることにより穴の所での板の合わせ部分にボンドが浸み込むのでさらに強度が増す。

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そして溝とドリルであけた穴のバリなどを丁寧にヤスリで磨ききれいにする。また、傷をつけたり汚れてしまったところも綺麗にする。

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7.ヒートン取り付け

まず少しでも接着力を強化する為にスイベルのネットの穴に入れたい側の穴(説明しにくい)に何でもいいから木を通しネットに入れこむのに支障がないようにしてサイドを潰す。そしてネットの穴にエポシキの接着剤を塗りこみ、スイベルの木の方にも接着剤を付け押し込む。(この時接着剤を付け過ぎるとヒートンの間にはいり回転しなくなる場合があるので注意。また乾燥には1日おくこと。)

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